尊厳死宣言とは、将来、何かの病気の末期症状を迎えて判断能力がなくなった際に、過剰な延命処置を望まない旨を、治療拒絶の宣言として文章化しておくものです。
治療拒絶の宣言の内容として具体的なものとしては、「死期が迫っていると診断された場合、いたずらに死期を引き延ばすための延命措置は一切お断りします。ただし、苦痛を和らげる措置は最大限してください。その際の副作用で死期が早まったとしても一向に構いません。この要望に従って措置してくださった行為の一切の責任は私自身にあることも申し添えます。」また、「植物状態に陥って半年を経過した場合、一切の生命を維持する措置を取りやめて下さい。」などの内容が考えられます。
これらの尊厳死宣言についての事柄を、遺言書の「付言事項」として記載することは可能ですが、法的な効力はありません。
そもそも遺言とは、死後の事柄に関するものなので、尊厳死宣言に関する事項を遺言書に記載するのは適していないと思われます。
唯一、医療行為の中止についての検討段階になった場合において、その意思を推定する有力な証拠とはなり得ます。
尊厳死宣言については、尊厳死宣言公正証書や、尊厳死宣言書において作成されるケースがあると聞き及んでいます。
日本では、尊厳死宣言について、法的に整備がされていない、また、家族や親戚縁者の想いも複雑であるため、非常に難しい問題になることは間違いありません。
各ご家庭・親族間の様々な問題を踏まえて、遺言についての適切なアドバイスも無料相談にて受付しておりますので、ご活用下さい。