コラム

１０月の頭ぐらいに「遺産争族」のドラマがはじまると聞いていまして、楽しみにしておりました。しかし、初回を見逃してしまい（録画もできていなかった・・・）残念でなりません。２回目の放送は見ることができましたのでその感想を。

このドラマを見ていて、相続関連業務を扱っている私にはその流れがよく理解できました。
ドラマの中で伊東四朗さんが弁護士に、向井理さんに全財産を相続させるにはどうしたらいいか？ということを相談されている場面がありましたが、弁護士は養子縁組を勧めていました。

私も、弁護士が提案するのは養子縁組だろうと思って見ていたので、『やっぱりっ』と思いましたが、向井理さんとだけ養子縁組するような内容だったので、ん？と思いました。私は、向井理さんと榮倉奈々さんの夫婦揃って養子縁組をするのだろうと思って見ていたからです。

まぁドラマなので、細かい設定をすると複雑になるので避けたのかな？とも思いましたが、その細かいところは非常に重要なので私が思っていた対策を掲載します。

＜相続対策＞
(1)向井理さんと榮倉奈々さんの夫婦が揃って養子縁組をする。
(2)向井理さんと榮倉奈々さんに対して、全ての財産を相続させる旨の遺言書を作成。
(3)現金部分の一部を死亡保険金にして受け取らせる。
(4)今のうちに贈与をして財産を減らしておく。

ドラマの中での伊東四朗さんの財産は、２億〜３億の財産であろうと勝手に私が見積もりましたが、相続税の対策も多少しておきつつ、財産を移転できる方法として手軽にできるのが(1)〜(4)でしょう。

その他方法はありますが、個別事情によりできるものできないものがありますので最低限、これらはやるべきと思いました。

＜上記相続対策の効果＞
(1)については、養子縁組をすれば、相続税の節税対策（非課税枠６００万円増える・死亡保険金の控除枠５００万円増える）、また、法定相続人となるので他の相続人の法定相続分が減る。イコール遺留分減殺請求をされても支払う額が減る。

(2)遺言書がないと実現できません。

(3)原則ですが、死亡保険金の受取人を向井理さんに指定した場合、その死亡保険金は、向井理さんの固有の財産となりますので、遺留分から除外される可能性を狙っています。

(4)贈与は、遺留分減殺請求をされた場合に少しでも支払い額を減らすため取り敢えずやっておく。また、多少の節税も狙ってます。

※相続対策の効果として上記を挙げましたが、実際に争った場合、どう転ぶかは法廷で決着をつけることになりますので、上手くいかないこともあり得ます。しかし、やっておいた方が良いと思います。
さて、今後のドラマの展開で、この細かいことまで俳優・女優が言及するかわかりませんが、どこまで突っ込んだ内容になるのか楽しみに見ていきたいと思っています。

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