相続手続き[2]遺産分割
遺産分割
遺言書が残されていない場合は、亡くなった方の財産を、遺族等の相続人で
分けるために遺産分割協議を行います。
遺産分割協議は、必ず相続人全員で協議し、全員の合意が必要です。
遺産分割の話し合いがまとまれば、遺産分割協議書を作成します。
遺産の分割の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。調停でも合意できない場合は、審判となります。
いずれにしても争っている限り遺産分割協議書は作成できないので、各種手続きはできません。
「争続」にならないためにも、生前の相続対策によって前もって対応しておくことが大切です。
遺産分割協議のながれ
- 1法定相続人を確認する
- 故人の戸籍を調査して法的な相続人を確定させます。
そのためには故人が生まれてから亡くなるまでの家族関係を調べます。 - 2被相続人の財産を把握する
- 被相続人の財産を洗い出し、プラスの財産とマイナスの財産を確定します。
財産目録を作成することをおすすめします。 - 3遺産分割協議
- 遺産分割協議が成立するためには、相続人全員の合意が必要です。
相続人全員で行うことが基本ですが、必ずしも一堂に会して話し合う必要はなく、
全員が合意している内容の協議書を、郵送などの持ち回りで署名・押印する、という形式も可能です。 - 4遺産分割協議書の作成
- 相続人全員が合意した結果を遺産分割協議書にまとめます。
- 相続人が合意したことを記載する。
- 「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載する。
- 現金、預貯金(銀行・支店名、口座名、口座番号)、不動産(土地、建物の住所、面積など登記簿の通りに記載)など 遺産ごとに細かく記載する。
- 後日、発見された遺産(借金も含む)があった場合、どう分配するかを記載しておく。
- 合意が成立した年月日。
- 相続人全員の署名(または記名)と実印による押印。協議書が数ページにわたる場合は割印をする。
- 協議書の部数は、相続人の人数分、及び金融機関等への提出部数分を作成する。
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遺産分割協議をしないとどうなるか
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相続手続きを開始できない
遺産分割協議で全員が合意し、遺産分割協議書を作成することで、相続の手続きが開始できます。
遺産分割協議書がなければ、不動産や預貯金の名義変更なども行えません。 -
相続税が不利になる
相続税の申告と納税の期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内です。遺産分割協議が完了していなくても相続税の申告と納税をしなくてはいけません。遺産の分割が決まっていないことで、特例や控除が受けられないなどの多くのデメリットが発生します。